コンサルやマーケティングで使うフレームワークの目的とは?

マーケティング・営業

こんにちは。甲斐です。

コンサルティングやマーケティングにおいて欠かせないツールの一つが「フレームワーク」です。

フレームワークについては様々なWebサイトや書籍でその使い方の解説がなされていますので、「ビジネス上の問題を解決するためにフレームワークを参考にしよう!」と思われた方も少なくないでしょう。

ただ、このフレームワーク、現在の問題点や取るべき施策を簡単に見つける事ができるような「魔法のアイテム」的に勘違いされる事が多く、「フレームワークを使っても結局何も効果がなかった」なんて事にもなりかねません。

何でもそうですがフレームワークにも「目的」があり、その目的を押さえた上でフレームワークを使わない限り、単なる時間の無駄になってしまうのですが、このフレームワークを使う目的について触れたWebサイトや書籍は少ない気がします。

(使い方について詳細に解説した情報は沢山ありますが・・・。)

そこで今回は「そもそも何故そのフレームワークを使うのか?」に視点をおいてお話したいと思います。

1.なぜフレームワークを使う必要があるのか?

まずは全体的なお話として、「そもそもなぜ、コンサルティングやマーケティングでフレームワークを使う必要があるのか?(と言うより、「使わなくてはいけないのか?」)と言う点に追求しましょう。

コンサルティングやマーケティングでフレームワークが必須な理由、それは「ビジネスにおいて思い付きの考えで行動するのを防止し、きちんと戦略的に分析、論理的に考えて成功確率を高める必要があるから」です。

時間やお金、人員と言った自社のリソースは限られています。

その限られたリソースを単なる思い付きで使ったしまった結果、本来目指すべきゴールではなく見当違いなゴールに無戦略で突き進んでしまっては、結果が全く出ないどころか、致命的な損害を被る可能性も出てくるでしょう。

そうではなく、限られたリソースを戦略的に投下し、目指す為のゴールにちゃんと進む為に分析・論理的に考えるツールが「フレームワーク」であり、先人の「知恵」でもあるのです。

ビジネスの成功確率を上げる為のツールが折角あるのですから、これを有効に活用しない手はないでしょう。

2.有名な各フレームワークの目的

① 自社を取り巻くマクロ環境を分析する「PEST」

PEST分析は政治、経済、社会、技術といった4つの観点からマクロ環境(外部環境)を分析するフレームワークのことです。

P:Politics(政治的要因)
E:Economy(経済的要因)
S:Society(社会的要因)
T:Technology(技術的要因)

PEST分析を行う目的は、上記のマクロ要因の変化が自社にとってどのような機会や脅威をもたらすのか?を考える事にあります。

例えば「政治的要因」であれば法改正によって規制が緩和されたり強化される事があります。

その場合に自社はどのような影響を受けるかを予測し、どのような対策を講じるべきか?を事前に考える、と言った使い方をします。

② 顧客、競合、自社の3つの視点で分析する「3C」

3C分析は上記のPSET分析とは異なり、ミクロ環境を構成する顧客、競合、自社の3つの視点から分析するフレームワークです。

Customer(顧客)
Competitor(競合)
Company(自社)

3C分析の目的は3つの視点から行った分析を元に、自社が業界内で勝つための成功要因(KSF:Key Success Factor)を見つけ出す事にあります。

KSFは各業界や自社の状況によって全く異なります。

例えば「一つ一つの仕事をオーダーメイドで丁寧に行う事ができる事」が自社の特徴であり、かつ競合が苦手としていて、顧客が求めているのであれば、それがKSFとなり得るでしょう。

③ 自社の強み・弱み・機会・脅威の4つの視点から分析する「SWOT」

SWOT分析は自社の「強み」「弱み」「機会」「脅威」の4つの要因を軸に事業の評価や目的達成の為の戦略を練るためのツールです。

Strength(強み)
Weakness(弱み)
Opportunity(機会)
Threat(脅威)

目標達成のために、

「どのように自社の強みを活かすべきか?」
「どのように自社の弱みを克服するべきか?」
「どのように市場や顧客獲得の機会を利用するべきか?」
「どのように脅威を取り除くべきか?」

このような質問に投げかけ、強み、弱みと言った内部環境や市場や顧客獲得の機会、脅威と言った外部環境を2×2のマトリックスで分析し、

  • 「強みを機会に生かす」
  • 「強みによって脅威を回避する」
  • 「弱みを強みに変える」

等の戦略を立てるのがSWOT分析の目的です。

上記の3C分析やPEST分析と連動させるとより効果的な分析ができるフレームワークです。

④ 顧客をセグメントする為の「STP」

自社製品を市場に投入するとき、どの顧客層をターゲットにするのか?を決めるのがSTP分析です。

S:Segmentation(セグメンテーション)
T:Targeting(ターゲッティング)
P:Positioning(ポジショニング)

  • 市場を潜在顧客やニーズによってさらに細かく分類(セグメンテーション)し、
  • そのセグメントの中で自社の強みが特に有効に働きそうなセグメントを絞り込み(ターゲッティング)、
  • ターゲットとなる潜在顧客に自社製品の価値を認識してもらう為に必要な提供価値の検討(ポジショニング)

を行います。

STP分析の目的は、業界内における自社のポジショニングを明確にする為に行います。

⑤ 自社のポジショニングについて、4つの要素で分析する「4P(4C)」

4Pは上記のSTP分析により導き出した自社のポジショニングについて、4つの要素(プロダクト、プライス、プレイス、プロモーション)から具体的な施策を考えるフレームワークです。

Product:商品戦略
Price:価格戦略
Place:流通戦略
Place:販促戦略

なお4Pは売り手目線のマーケティング理論であり、これに対して、買い手目線でマーケティングを考えた「4C」という分析方法もあります。

Customer Value:顧客価値
Cost:コスト
Convenience:利便性
Communication:コミュニケーション

4P(4C)分析を行う目的は上述したとおり、PEST分析~STP分析によって明確にした、業界内における自社のポジショニングについて、4つの要素から具体的な施策を考える事にあります。

つまり、今までのフレームワークによる分析がイマイチであれば、この4P(4C)分析があまり意味がなさないモノになります。

「なんか4P(4C)分析がしっくりとこない」と思われた場合、上位概念のフレームワーク分析を再度検討する必要があるでしょう。

3.まとめ

マーケティングにおけるフレームワークは「何だか凄そうなもの」に見え、それを使う事が目的になりがちですが、大切なのはそのフレームワークによる分析を行って「何をやりたいか?」を明らかにする必要があります。

何でもそうですが目的を見失ってただ時間を浪費する事ほどムダな事はありません。

ツールに振り回されず「目的」を明確にするようにしましょう。

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甲斐 智也

甲斐 智也

表現者。元舞台俳優。演劇を活用した論理と感性のハイブリッドコンサル。趣味はキックボクシングとランニング

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甲斐 智也

甲斐 智也

表現者。元舞台俳優。演劇を活用した論理と感性のハイブリッドコンサル (詳しい自己紹介は画像をクリック!)。

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